【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
ぷしゅーっとのぼせて、わたしはぱたん、と藍くんの胸元に頬をもたれかけた。
「由瑠?」
藍くんの胸を借りながら呼吸を整えていると、頭がまだぽーっとしているからか勝手に口が動く。
「藍くんのキス……今日、甘い……」
すると藍くんが自分の唇を親指の腹で拭いながら、思い出したようにつぶやく。
「ああ、友達からもらったはっかあめ舐めてた」
「はっかあめ?」
「これなら食べられるんだよな。由瑠も食べたい?」
「へ……」
くいと顎を持ち上げられたかと思うと、わたしの視界いっぱいに怖くなるほど整った藍くんの顔が映り、唇が重ねられた。