【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
「ここじゃなんだしベッドに移すか」
「うんっ」
藍くんが瑛麻ちゃんを抱き上げ、布団に寝かせてくれる。
そしてわたしがすやすや寝ている瑛麻ちゃんに毛布をかけていると、床の上に腰を下ろした藍くんが、なぜか自分の足をとんとんと叩く。
「由瑠、おいで」
「お、おいでって……」
と、突然なに……?
まさか、膝の上にっ?
むりむり……! そんなの心臓が壊れる!
ぶんぶん首を横に振って、拒否の意思表示。
けれど藍くんはわたしの必死の抵抗をあっさり払いのけ、腕を掴んで引き寄せた。
その反動で、わたしは簡単に藍くんの膝の上に収まってしまう。
逃げたいのに、腰に回された藍くんの腕がしっかりとホールドして、身動きがとれない。