The previous night of the world revolution8~F.D.~
「で、ですが、それなら…執事の証言は…?」

と、部下が恐る恐る尋ねてきた。

「証言は当てにならない。それより、電話なら録音機能があるんじゃないのか?」

「あ…。…えぇと、少々お待ちください…」

人の証言など、その時の思い込みや記憶違いで、いくらでも変わる。

よく名前の似た別人、という可能性も。

…まぁ、ルシファーの名前をフルネームで名指しだったのなら、なかなか間違えようがないが。

すると。

「オルタンス団長。こちらです」

部下の帝国騎士が、電話機の親機を持ってきた。

そこには、昨夜、アジーナ女史が人生最後にかけた電話の声が録音されていた。

ルレイアであって欲しくない。…いや、ルレイアのはずがないと、俺は確信していた。

しかし。

録音された音声を、その場で最大音量で再生すると。

アジーナ女史の、切羽詰まった声が聞こえてきた。

『た、助けて…!ルシファー・ルド・ウィスタリアが、私を、殺し、あぁぁぁっ!!』

叫び声と同時に、グチャッ、という肉の潰れるような音がした。

…ふむ。非常に生々しい音声だ。

…だが、どうやら聞き間違いではなさそうだな。

「…これではっきりしたな」

アジーナ女史は確かに、「ルシファー・ルド・ウィスタリアに殺される」と言った。

しかし、ルレイアが犯人であることは有り得ない。

つまり、何者かがルレイアの振りをして、ルレイアに罪を押し付ける為に、アジーナ女史を殺害したということだ。
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