The previous night of the world revolution8~F.D.~
「畜生…。何で俺はフリーターなんだ…」

ルルシーは、釈然としない表情でルーレットを回す。

「空き缶に躓いて転ぶ。−20000円」だって。

不運が続きますね。ルルシー。

「ぶはは!ルル公よわ〜」

「プータローに言われたくねぇよ。馬鹿アリューシャ」

「何だとぅ!?アリューシャはプータローで億万長者を目指すんだぞ!」

「お前、プータローの意味分かってねぇだろ!」

まぁまぁ。ルルシー落ち着いて。

アリューシャだったら、プータローでも何でも逞しく生きてそうな気がしますね。

「ったく…付き合ってられるかよ…」

「まぁまぁ。たかが人生ゲームじゃないですか。そんなに怒らず…。…お。俺は『悪の親玉を倒す。+1億円』ですって」

「ヒーロー、強っ…」

ヒーローですからね。がっぽり1億儲けちゃいました。

いやぁ。ヒーローって良い商売。

皆さん、どんどん貢いでくださいね。

「僕も負けてませんよ。『他国との戦争に勝利した。賠償金をもらって+1億円』」

「国王、強っ…」

「ちょっと待て。俺も負けてないぞ。『世紀の大マジックが成功。+8000万』だ」

「マジシャンも強っ…」

じゃんけんのノリで戦争に勝ってますね。ルーチェス。

ルリシヤもさすが。マジックでそこまで儲けるとは。

俺の良いライバルですよ。

「アイズ。次はアイズの番ですよ」

「うん。今…あ、ちょっと待って」

アイズがルーレットを回そうとした、その時。

ジャストなタイミングで、アイズのスマホが鳴り始めた。

今良いとこだったのにー。
 
空気を読まない奴が電話してきましたね。

しかし、居留守を使う訳にも行かず。

「ごめん、ちょっと出るね。先、進めといて」

「はーい」

「アイ公、人気者だな!」

「ベンチャー企業の社長ですからね」

「それは人生ゲームの話だろ…」

いやいや。リアルでも、アイズは色々な企業を起ち上げてますから。

実質、社長みたいなものですよ。

「もしもし」

アイズはスマホを手に、電話に出ていた。

…何だろう。

アイズに電話がかかってくるのは、決して珍しいことではない。

おおかた、仕事の連絡なのだろう。

それなのに、俺は既に、嫌な胸騒ぎを感じていた。

「ほい、ルレ公。次ルレ公の番だぞ」

アリューシャにルーレットを回すよう促されても、俺は人生ゲームを中断して、電話をするアイズをじっと見つめていた。

「…?どうしたの、ルレイア?」

「…ルレイア…?」

そんな俺を、シュノさんとルルシーが怪訝そうに眺めていたが…。

俺は、相変わらずアイズから視線を逸らさなかった。

電話を受けたアイズの顔色が、一瞬にして豹変した。

「…どうしてあなたが…。一体どういうこと?」

その表情と声色の変化に、一同が手を止めた。
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