The previous night of the world revolution8~F.D.~
…さてと。

出ていくと決まったら、いっそ清々しい気分ですね。

皆さんに背中を押してもらったことですし。

「さぁルルシー。これから何処に行きます?」

何処にも行く宛がない、っていうのは案外良いことかもしれない。

だって、何処に行っても良い、ってことじゃないですか。

ようは、誰にも姿を見つけられなければ良いってだけ。

それさえ気をつければ、何処に行っても良い。

国内でも国外でも、何処でも。

冒険心、探究心ってものが生まれてきますね。

「そうだな…。ルレイアが一緒なら、別に何処でも良いよ」

ルルシーの方も、さっきより表情は晴れやかである。

日常のしがらみから解放された、このすっきりとした開放感…。

何だか癖になりそうですね。

「そうですね…。俺もルルシーと一緒なら何処でも良いですけど…」

折角の逃避行デート。ルルシーと一緒に行くなら…。

…まぁ、まずは帝都から離れ、ついでに国外脱出が妥当なところでしょうね。

帝国騎士団に追いかけられるの、面倒ですし。

「じゃ、まずは帝都から出ていきましょう」

「それから?」

「その後は、国外に逃げましょう」

「海外か…。まぁ、そうなるよな…」

ですねぇ。

帝国騎士団から逃げるには、それが一番確実な方法だ。

自分もかつて所属していたからこそ分かる。

帝国騎士団の権威、権力は半端じゃない。

正直、本気で追われたら、確実に逃げられる保証はない。

けれど、所詮帝国騎士団の権力が及ぶのは、ルティス帝国国内だけだ。

海外に逃げてしまえば、帝国騎士団の捜査の手は及ばない。

捜索するのも、国内より遥かに困難になる。

そうして捜索の時間を稼げば、アイズ達が真犯人を見つけてくれるかもしれない。

…ってことで、まずは海外に逃避行しましょう。

ルルシーと一緒に海外旅行と思えば、胸も高鳴るというものですよ。

一風変わったバカンスを楽しみに行きましょう。

「どうですか?怖じ気づいてきました?」

「まさか。一人で海外旅行は不安の塊だが、お前がいれば困ることは何もないからな。通訳も必要ないし」

まぁ、大抵の国の言葉なら話せるし、読めますからね。俺。

いやぁ。貴族の英才教育万歳。

「それより心配なのは、どうやって安全に国外脱出するかだ」

「ふぅん?」

「パスポートは一応、持ってきてるけど…。空路にしても海路にしても、出国審査に引っ掛かるんじゃないか?」

成程。当然の心配ですね。

それは俺も考えてますよ。一応。

しかし、俺は『青薔薇連合会』の幹部。

密かに国境を越え、身分を隠して密入国…なんて、さほど難しいことではありません。
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