The previous night of the world revolution8~F.D.~
「方法はまぁ、色々あります。まず一番手っ取り早いのは…空港にいる出国審査担当の女を一人二人、垂らし込む」

「…それはやめとけ」

えっ、何で?

これが一番簡単で、皆が幸せになれる素敵な方法なのに。

でも、まぁ、良いか。

「そうですね。一刻を争う俺達は、口説いてる時間が勿体ないですもんね」

「いや、そういう意味じゃなくてさ…。…あぁ、もう良い。二つ目の方法は?」

「まず、空路で脱出はやめておきましょう。空港は人の目が多いし、出入国の審査も厳しい」

仮にルティス帝国を出られたとしても、入国する別の国の入国審査に引っ掛かる可能性がある。

それに、飛行機に乗ってる間は無防備な状態になるし。

万が一正体を見破られて、到着した空港で待ち伏せされていたら、さすがに逃げ切れませんよ。

ってな訳で、空路はやめておいた方が良い。

「じゃあ、船…か、列車を使うか…?」

「…まぁその辺が妥当でしょうね」

勿論、海路でも陸路でも、国境を越えるなら出入国手続きは必要だ。

しかし、ルティス帝国の出入国手続きは、空路以外は比較的緩い。

あくまで比較的、ですけどね。

飛行機に隠れることは出来ないが、船ならば隠れる場所を見つけられるかもしれない。

列車にしてもそうだ。

それに列車なら、いざという時は飛び降りて逃げられそうじゃありません?

…え?それは映画だけ?

じゃあまぁ、そういうことにしておいてあげますよ。

「だが…どっちにしても、出国手続きが危険なのは事実だぞ。一応、まだ帝国騎士団から指名手配されないみたいだから、移動させてもらえるかもしれないけど…」

「ルルシー、まさか普通に自分のパスポート使って出国するつもりです?」

「えっ…。…違うのか?」

さすがにそれは不用心過ぎますよ。

素直な良い子だなぁとは思いますが。

「ご覧ください、ルルシー」

俺は、先程ルリシヤとルーチェスから託されたポーチのチャックを開けた。

中には色んなものが入っていますが、その中に。

なんと、とっても便利なグッズが。

「はい、こちらをどうぞ」

「…何これ。…パスポート?」

「ご名答です」

二人が入手してくれた、偽名と偽の写真付きのパスポートである。

所謂、偽造パスポートって奴ですね。

「マジか…。成程、これを使えば俺達だって分からずに出国出来ると…」

「二人共、それを分かっててこのパスポートを準備してくれたんでしょうね」

これを使って脱出しろ、と。

いやぁ。早速役に立ちましたね。ルリシヤ&ルーチェスのマジックポーチ。

「それを使って、安全にルティス帝国から脱出しましょう」

「…分かった。有り難く使わせてもらおう」

ルルシーは、偽造パスポートなんてとんでもない、とは言わなかった。

それだけ、彼も覚悟を決めているということだろう。

頼もしいですね。…やっぱり、ルルシーと一緒に来て良かった。

気の持ちようが全然違いますよ。
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