The previous night of the world revolution8~F.D.~
…およそ30分後。

遅い時間まで、手元の名簿ファイルと、パソコン画面のデータベースを睨みつけていたせいか。

段々と目が疲れてきて、さすがにそろそろ休憩しようかなぁと思っていた頃。

「たっだいまー!」

「あ、お帰りなさい…」

コンビニに買い出しに行っていたセカイお姉ちゃんが、白いビニール袋を手に帰宅。

丁度休憩しようと思っていたところです。

「ふー、寒かった〜!でも、ちゃんと買い物出来たよ!」

「そうですか。…痴漢に襲われたりしませんでした?」

「うん、平気!」

「そうですか…。それは良かった」

もし、セカイさんがよその男に痴漢されていたら。

負けてられないので、僕も思いっきりお触りするところでした。

「夜食、色々買ってきたよ!」

「何を買ってきたんですか?」

「えぇっと、サケおにぎりでしょ?昆布おにぎりでしょ?それからカップ焼きそばと、スタミナ弁当ってやつと…」

夜食とは思えないほどのボリュームですね。

随分ガッツリですよ。

「それと、中華まん。肉まんとあんまんとピザまん買ってきちゃった」

王道ですね。

「はい、ルーチェス君。どれ食べる?」

「そうですね…」

セカイさんは、白いビニール袋ごと僕に差し出した。

ビニール袋の中には、セカイさんが買ったきてくれた夜食がぎっしり。

「お姉ちゃんはどれ食べたいです?」

「え、私?私はいいんだよ。こんな夜中にご飯食べちゃったら、太っちゃうもん」

それは聞き捨てなりませんね。

「そんなこと言って、僕だけに食べさせて肥えさせようという腹ですか?」

「ルーチェス君は痩せっぽちなんだから、もりもり食べて太ましく育てばいーの」

「そんな切ないこと言わず…。僕は、食べ過ぎてむちむちのセカイお姉ちゃんのお腹を、ここぞとばかりにぷにぷにするのが生き甲斐なんですから。是非とも一緒に食べてください」

「もー!そんなこと言って、おだてたって駄目なんだからね!」

ちっ…。駄目ですか。

…ん?

その時僕は、ビニール袋の中にとあるものが入ってるのを見つけた。

「…セカイお姉ちゃん」

「なーに?」

「これは何ですか?」

「…!ぎくっ…」

セカイさんの顔色が、さっと青くなった。

見つけちゃいましたよ。僕。

ビニール袋の底に、パックに入った2個入りのショートケーキが入っているのを。

俗に言う、コンビニスイーツって奴ですね。

あれ美味しいですよね。何なら、王宮で食べてたパティシエのお菓子より美味しい説まである。

「し、しまった。それだけは別の袋に入れてもらうつもりだったのに…!忘れてた…!」

…ほほう。失言してしまいましたね。

「さてはセカイお姉ちゃん…。このハイカロリーなショートケーキを、こっそり夜食に食べるつもりだったのでは?」

「ぎくーっ!」

…やはりな。

そんなことだろうと思いました。

目が泳いでますよ。スイスイと。
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