花
あじさい
体育祭のときは晴れていたのに、今の空はもう曇っている。
私の気分を表されているようでなんだか嫌だった。
そういえばもうすぐ梅雨だな、と思う。
薄い桃色の傘はまだ家にあるだろうか。
昨日とは変わって早足で家に帰った。
リビングに入るとお母さんが台所で料理をしているのが見えた。
帰ってきた私に気づいたお母さんは自分の手元を見ながら私に言った。
「今日行けなくてごめんね」
来てなかったんだ、と安心してしまう。
大丈夫、と短く返事をしてさっさと自分の部屋に向かった。
荷物を置いて着替えてからリビングに戻ると、ソファで横になったお兄ちゃんがスマホで動画を見ていた。
隣のテーブルにはポテトチップスの袋のごみ。
「お兄ちゃん、これ片付けて」
イライラしながら言うと、お兄ちゃんはめんどくさそうに私に言い放つ。
「今無理」
お兄ちゃんは今大学生だけど、ちゃんと大学に行っている気配は全くない。
前までは少し行っていたみたいだけど、ここ最近はずっと家にいて、たまに夜出かける。
バイトか、高校時代の友達に会っているのだろう。
だらしないお兄ちゃんへの怒りをポテトチップスの袋にぶつける。
思いっきりぐしゃ、と音を立てて潰すとお兄ちゃんがうるせえな、と文句を言った。
私だって言いたいこといっぱいあるのに。
それをちゃんと我慢してるのに。
お兄ちゃんばっかりずるい。
そんな気持ちはずっと前から私の心に溜まったままだ。
袋をゴミ箱に突っ込んで、私は夜ご飯までは自分の部屋で勉強することにした。
私の気分を表されているようでなんだか嫌だった。
そういえばもうすぐ梅雨だな、と思う。
薄い桃色の傘はまだ家にあるだろうか。
昨日とは変わって早足で家に帰った。
リビングに入るとお母さんが台所で料理をしているのが見えた。
帰ってきた私に気づいたお母さんは自分の手元を見ながら私に言った。
「今日行けなくてごめんね」
来てなかったんだ、と安心してしまう。
大丈夫、と短く返事をしてさっさと自分の部屋に向かった。
荷物を置いて着替えてからリビングに戻ると、ソファで横になったお兄ちゃんがスマホで動画を見ていた。
隣のテーブルにはポテトチップスの袋のごみ。
「お兄ちゃん、これ片付けて」
イライラしながら言うと、お兄ちゃんはめんどくさそうに私に言い放つ。
「今無理」
お兄ちゃんは今大学生だけど、ちゃんと大学に行っている気配は全くない。
前までは少し行っていたみたいだけど、ここ最近はずっと家にいて、たまに夜出かける。
バイトか、高校時代の友達に会っているのだろう。
だらしないお兄ちゃんへの怒りをポテトチップスの袋にぶつける。
思いっきりぐしゃ、と音を立てて潰すとお兄ちゃんがうるせえな、と文句を言った。
私だって言いたいこといっぱいあるのに。
それをちゃんと我慢してるのに。
お兄ちゃんばっかりずるい。
そんな気持ちはずっと前から私の心に溜まったままだ。
袋をゴミ箱に突っ込んで、私は夜ご飯までは自分の部屋で勉強することにした。