となりの色気がうっとうしい
*
「はぁ……眠っ」
「ちょ、重いです、天海くん」
班決めをした日からあっという間にやってきた遠足当日。
もう関わらないと決めたのに。
よりによって、同じ班になってしまうなんて。
先が思いやられる。
動物園に到着し、バスから降りると、天海くんが背後から私にもたれかかる。
バスの中でもずっと寝ていたのに……どんだけ寝るんだ。
「てか、月雨ちゃん。ちゃんと食べてる?こんなんじゃ俺のこと支えられないよ?今日はいっぱい食べようね」
「いやなんで私が天海くんのことを支えないといけないんですか。いいから早く離れ……!」
「ん〜」
びくともしない。
彼にウザ絡みされること自体、うっとおしくてしょうがないけれど。
一番は、周りの視線。
なんであの女が、天海くんと絡んでいるんだって目でこちらをチラチラ不思議そうに見ている。
こんなの、私がみんなのヒンシュクを買うって、天海くんはわかっててやっていると思う。
ほんとムカつく……。
「おい、双葉。行くぞ」
天海くんにそう声をかけ、一瞬だけ目が合ったのは、彼とよく一緒にいる神崎一架くん。
社交的で気まぐれゆる不良な天海くんとは違って、あまり表情を崩さないクールなタイプ。
関わったことないから、本当はどうか知らないけれど。
私たちは、集合場所の広場へと向かう。