となりの色気がうっとうしい
*
「やばい、めっちゃ食ったね〜?」
「もう何も食べられない」
スタンプラリーの後のBBQも無事に終え、私たちは帰りのバスに乗り込む。
「よし次、私が月雨のとなり〜!そちらはどうぞカップルで!双葉はぼっちでよろしく」
「えっ?」
と困惑気味な天海くんの声をかき消すように、日葵ちゃんが私の名前を呼んだ。
「月雨、そっち窓側座って」
と促され、流れるがまま座ると、ご満悦な表情で日葵ちゃんが真横に座った。
「え、天海くんひとり?一緒に座りたーい!」
そんな声がどこからか聞こえて「んー」という天海くんの気だるそうな返事が聞こえた。
「帰りも、双葉とがよかった?」
「へっ!?」
いきなを、日葵ちゃんが耳打ちで変なことを言ってくるので、変な声が出てしまった。
「何言ってるんですか……そんなわけ……ここ数日、変に付きまとわれて迷惑して……あっ」
そこまで言って、あの圧倒的人気者の天海双葉の悪口を言ってしまったと気付いたけど、時すでに遅し。
どうしよう……日葵ちゃんがもし、天海くんに好意を寄せていたりなんかしたら。
慌てて口元を抑える私を見て、日葵ちゃんが「ぷっ」と吹き出した。
「はははっ!いいよ、いいよ。大丈夫。吐き出しな〜我慢は身体に毒だからさ〜」
と日葵ちゃんが私の肩に手を置く。