となりの色気がうっとうしい
*
バスが学校の敷地内に着き。
帰るまでが遠足だ、なんて学年主任の先生がお決まりのセリフを口にして、遠足は無事に終了。
生徒たちが次々に学校から出ていく。
「月雨、また月曜ね!」
「今日の写真,送るから!」
「は、はい!また……!」
ブンブンと手を振ってくれる日葵ちゃんと美夜ちゃんに手を振り返す。
学校イベントが楽しかったと思えたのはいつぶりだろう。
クラスの子とこうして打ち解ける日が来るなんて思っても見なかった。
自ら線を引いて、見た目だけで判断して。
偏差値が低い人とは……って、周りのことを下に見て、自分とは合わないだろうって決めつけていたことを反省する。
バスの中で、日葵ちゃんと連絡先を交換してもらって、美夜ちゃんも含めた3人のグループチャットまで作ってもらった。
「双葉〜今日ひま?」
「カラオケ行こうぜ〜!」
ふたりと別れ、私も帰ろうとしたとき、その名前が聞こえて足が止まる。
『双葉、月雨がけむ団好きなことを知ってたっぽいよ?班決まってすぐ私らに“趣味合うと思うよ“って言ってたから』
そんな日葵ちゃんの言葉を思い出す。
……何か、言わなきゃかな……。
でも……。
チラリと、賑やかな輪の中で一際目立つ彼を見る。
あんな風に囲まれた彼に声をかけられるわけなんかない。
いや、良いんだ。
話しているところを見られたら、またしょーもないこと言われるかもしれないから。
モヤモヤしたまま、再び歩き出し学校を出る。
また、マンションですれ違った時にでも……。