となりの色気がうっとうしい
3.息抜きとお勉強

「ちょ、月雨〜今お昼休みだよ?今だけでも勉強のことは忘れたら?」


「……うん」


日葵ちゃんにそう返事を返すけど、私の手は止まらない。


「重症だね、こりゃ」


と美夜ちゃんのため息混じりの声。


遠足の日から数日。


お昼休みが始まってすぐに弁当を開き、急いで完食した私は、日葵ちゃんと美夜ちゃんとくっつけた机で教科書とノートを広げて勉強を始めた。


再来週には中間テストが控えている、というのを先ほどの数学の授業で先生が話しているのを聞いて思い出した。


今までは、先生たちが授業でテストを匂わせる前から、自分なりに対策して、スケジュールを組んでいたのに。


ただでさえ、2日も休んでしまった分を取り返さなくてはいけないのに。


ここ数日の私は、そのことがすっかり頭から抜けていた。


土日は、今まで滅多に来なかったメッセージアプリの通知が頻繁に届いて。


遠足明けの月曜は、日葵ちゃんたちとけむ団のグッズ交換。


高校に入って初めて、友達と談笑したり、お昼を食べたりして、それを楽しんでしまっていた。


私は、もともと記憶力がいいわけでも、天才なわけでもなんでもない。


能力がない分、人の何倍も努力しないといけないことは、小中で自覚済み。


それなのに……それをすっかり忘れていた。


天海くんに絡まれて、日葵ちゃんや美夜ちゃんと話すようになって、以前よりも確実に自分のペースでひとり勉強する時間が減った。


でも、日葵ちゃんたちと過ごすようになったから、成績が下がった、なんてことには絶対したくないから。


ふたりがゆっくりランチタイムを楽しんでいる間も、私は横でひたすら勉強した。
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