となりの色気がうっとうしい



「月雨〜もう帰りのSHR終わったよ?」


「……」


「ダメだ。月雨〜!!」


耳元で名前を呼ばれてハッとする。


気がつけば、目の前に日葵ちゃんと美夜ちゃんが立っていた。


「あっ……ふたりとも」


「もう。取り憑かれたみたいに勉強すんじゃん!」


「あんま無理しないでよ?」


そう言った美夜ちゃんが、レモンティーと細長いポテトスナックが入ったカップを私の机に置いた。


「えっ、これって……」


「うちらから差し入れ。でも頑張りすぎるな。また風邪ひくよ?」


差し入れ。
勉強していてそんなものを誰かからもらうなんて初めてで、目の奥が熱くなる。


どうしよう。
最近の私は、日葵ちゃんと美夜ちゃんからもらいすぎだ。


私はふたりのために何もできていない。
逆に、ふたりがいるのにお昼休みまで勉強しちゃって……。


「うちらが頭良かったら助けてあげられたんだけどね」


「これぐらいしかできなくてごめんよ」


「そんなっ!違います。私が……要領悪いのがいけなくて。ひとつのことにしか集中できない節があると言う……本当、ごめんなさいっ」


「謝んな〜!テスト終わったら、3人で遊びに行こうよ。夏休みもさ!けむ団カフェ行こ!」


「いいね!最高!」


どうしよう。
ふたりが優しすぎて、涙が出てきそう。

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