となりの色気がうっとうしい
「あれ?月雨ちゃん帰んないの?」
教室を出ようとしていた天海くんが、席に座ったままの私を見て近づいてくる。
「そういえば、昼休みも勉強してたね」
なんて言いながら、私のノートを手に取ってパラパラとめくる。
「もしかして休んだ2日取り返そうとしてる?」
その声に、ぴたりと手が止まった。
「うちらがちゃんとノート取ってればまだ良かったんだけど」
「まじで落書きしかしてないからな……」
と肩を落とすふたり。
「ふたりが落ち込む必要ないです!私の問題なので!」
日葵ちゃんたちと話していると、横からスッと何かが差し出された。
ノート?
視線を上にあげると、天海くんがこちらにノートを向けていた。
「学年一位のノート。これあればちょっとは役立つでしょ」
「え」
どうしよう。
彼はライバルでもある。
いつか追い越すべき相手。
その人のノートを借りるなんて……正々堂々と戦っていないことになるわけで……。