となりの色気がうっとうしい
「もしかして、天海くんのバイト先ですか?」
「ん。ここのモーニング、値段の割にボリュームあって美味しいから、月雨ちゃんにおすすめしたくて。何食べる?」
と天海くんがメニューを開く。
そもそも、天海くんってバイトしていたのか。
そんな耳だから、やっていないと思っていた。
この店は接客業なのに、身なりに細かいルールがないのかな?
まあでも、確かに、見た目が大人っぽい天海くんには、こういう落ち着いた雰囲気の喫茶店が似合うのかもと、メニューを眺めながら思って、ハッとする。
「私、朝ごはんはしっかり食べてきたので!大丈夫で───」
ぐぅうううう。
っ!?
慌てて、自分のお腹を両腕で抑える。
本当にちゃんと食べてきたのにっ!!
正直、メニューに載っている食事がすごく美味しそうでそそられた。
けど、よりにもよって天海くんの前で鳴ってしまうなんて!!
すぐに顔を窓の外に向けるけど、恥ずかしさで、全身が熱くなる。
絶対からかわれる、と思いながらチラリと視線を正面に向けると、案の定、天海くんは満足そうにニコニコ笑顔。
「身体は正直だよね〜」
「……ほ、本当に食べてきたんですもん」
「かわいいね〜月雨ちゃん」
と冷やかすような言い方にむかつく。