となりの色気がうっとうしい
クリームソーダなんて子供っぽいとバカにされるかと思ったのに……。調子狂う。
返事に困っていたそのとき。
「お待たせしましたー!」
軽やかな声とともに、トレーがテーブルに置かれる。
「たまごサンドと、ブラックコーヒーですね〜。それから、クリームソーダになります」
目の前に置かれたクリームソーダ。
朝の日差しを受けて、キラキラ輝くエメラルドグリーンの上には、バニアイスがふわりと浮かんでいる。
「ありがとうございますっ」
「双葉くんが彼女ちゃん連れてくるなんて珍しいね?」
と、女性の店員さんが天海くんに話しかける。
ショートボブの似合う大人っぽくて綺麗な人。
スタイルもすごくいい。
ふたりが話す姿は、なんだか絵になると思った。
っていうか、今なんて言った!?
「か、彼女じゃないです!ありえないですっ!」
慌てて否定すれば、店員さんがクククッと口元を手で隠して笑う。
「必死すぎ!双葉くん、嫌われてるの?」
「まぁ、嫌よ嫌よも好きのうちっていいますからね」
そういう彼をキッと睨む。
「まぁ、それはあるかも。私も最初はヒロくんのこと嫌いだったもんな〜」
と懐かしむように話す店員さん。
「今は熱々っすからね〜。そういえば、ヒロさんは?」
「今、コーヒー豆の調達に行ってる。じゃあ、ゆっくりしていってね!えっと……」
「月雨ちゃん」
私の代わりに、私の名前を伝えた天海くん。
さらっとまた人前でそう読んだことにムカつきながらも、どこか、慣れてきてしまっている自分がいる。
「月雨ちゃん!かわいい名前。私は美咲!よろしくね〜!」
美咲さんはそういうと、カウンターの方へ戻っていった。