となりの色気がうっとうしい
「ここでちょっと身体動かそう」
「え……」
美咲さん……この人が真面目なんて、大嘘ですよね。
さらに数十分歩いてついた場所。
目の前の光景に、言葉を失う。
視界に飛び込んできたのは、色鮮やかなネオンが輝くゲームセンター。
ガラス張り越しには、所狭しと並ぶクレーンゲーム。
入り口の自動ドアが開いた瞬間、いくつもの電子音と楽しそうな笑い声が一斉に耳へ飛び込んできた。
中は、子どもからカップルまで、多くの人で賑わっていて、休日らしい空気があふれ出していた。
「……ゲームセンター?」
隣を見ると、天海くんは「うん」と満足そうに頷いて、自動ドアの方へテクテクと向かい出した。
「あ、ちょっ……!!」
急いで後を追う。
「まずはこれ」
天海くんが立ち止まったのは、ワニが穴から次々と顔を出すゲーム。
備え付けのハンマーを手に取り、私へ差し出す。
「え、これをやるんですか?」
「うん。いいストレス発散になるよ」
「私、ゲームなんてほとんどやったことないですけど……」
「大丈夫。出てきたワニを叩くだけ」
そんな簡単に言われても。
戸惑っていると、天海くんは私の手にハンマーを握らせ、機械にコインを投入した。