となりの色気がうっとうしい

「月雨ちゃん、この頃めっちゃ活発じゃない?今どうしちゃったの」


う、うるさいな、という気持ちは飲み込みつつ。


「……人は成長するんです」


「へぇ〜」


私のセリフに適当な相槌を打つ天海くんにムッとしたけど、写真を眺めるその横顔がすごく優しくて、なんとも言えない気持ちになる。


自分以外の誰かの家庭の写真を見て、あんな優しい顔ができるなんて意外……。


さっきも、彼の部屋で、一瞬、天海くんが距離を縮めて迫ろうとしてきたけど、唇に触れたのはしそのぬいぐるみだった。


きっと、天海くんは、私が本当に嫌がることはしない。
それは、もう、なんとなく気付いている。


だからこそ、彼がなんのために私にかまうのか、本当に謎だけど……。





「はい。できました」


皿に盛ったエビチャーハンから、ふわりと湯気が立ち上る。


細かく刻んだネギと卵、ぷりっとしたむきエビがいくつも混ざっている。


隣には、わかめと玉ねぎの中華スープ。


「わっ、うまそうっ!!」


向かいに座った天海くんが、子どもみたいな声を漏らしながら、目をキラキラさせながらテーブル椅子に腰掛ける。


「お店じゃん!」


「大げさな……」


「まじでっ。いただきますっ」


と、天海くんが両手を合わせた。


私も小さく手を合わせて、スプーンを手に取り、天海くんの様子をうかがう。
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