となりの色気がうっとうしい
「月雨ちゃん、この頃めっちゃ活発じゃない?今どうしちゃったの」
う、うるさいな、という気持ちは飲み込みつつ。
「……人は成長するんです」
「へぇ〜」
私のセリフに適当な相槌を打つ天海くんにムッとしたけど、写真を眺めるその横顔がすごく優しくて、なんとも言えない気持ちになる。
自分以外の誰かの家庭の写真を見て、あんな優しい顔ができるなんて意外……。
さっきも、彼の部屋で、一瞬、天海くんが距離を縮めて迫ろうとしてきたけど、唇に触れたのはしそのぬいぐるみだった。
きっと、天海くんは、私が本当に嫌がることはしない。
それは、もう、なんとなく気付いている。
だからこそ、彼がなんのために私にかまうのか、本当に謎だけど……。
*
「はい。できました」
皿に盛ったエビチャーハンから、ふわりと湯気が立ち上る。
細かく刻んだネギと卵、ぷりっとしたむきエビがいくつも混ざっている。
隣には、わかめと玉ねぎの中華スープ。
「わっ、うまそうっ!!」
向かいに座った天海くんが、子どもみたいな声を漏らしながら、目をキラキラさせながらテーブル椅子に腰掛ける。
「お店じゃん!」
「大げさな……」
「まじでっ。いただきますっ」
と、天海くんが両手を合わせた。
私も小さく手を合わせて、スプーンを手に取り、天海くんの様子をうかがう。