となりの色気がうっとうしい

「そういえば、重松たちが計画してるピクニック」


「あ、はい」


急に立ち上がって話す天海くんを見上げて返事をする。


テストが終わったから、打ち上げも兼ねてみんなで遊ぼうと、日葵ちゃんたちが計画してくれているピクニックのことだ。


「妹ちゃんも誘ってみれば?」


「えっ!?何言ってるんですか」


思いもよらない発言に、声が大きくなってしまう。


「来るわけないですし、そもそも、妹がいるなんて、みんなに迷惑ですよ……」


「月雨ちゃんのお友達は、友達の妹が来たら、迷惑がる奴らなの?」


「そ、それは……」


日葵ちゃんと美夜ちゃんが初めて私と話してくれた時のことや、今も彼女たちが私へ示してくれる気遣いや、向けてくれる笑顔がふと頭に浮かぶ。


もし、私が妹を連れて行きたいと話したら、2人はきっと喜んで、奏のことを迎えてくれる。


「……誘っても、奏が来てくれるとは…」


「聞いて見ないとわかんないよ。学校でも家でもダメなら、別のコミュニティに飛び込んでみるのも案外いいと思うし」


「……」


天海くんが私に絡んでくるのは、私に嫌われまいと必死に取り繕う必要がないから。


ただそれだけの理由なはずなのに。


奏のことにまで、何かを提案してくる理由がわからない。


「頑張って。お姉ちゃん」


「ちょ、」


天海くんは、くるっとこちらに背を向けると手をヒラヒラとさせて、屋上を後にした。


お、置いていくなんて……。
< 74 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop