となりの色気がうっとうしい
「そういえば、重松たちが計画してるピクニック」
「あ、はい」
急に立ち上がって話す天海くんを見上げて返事をする。
テストが終わったから、打ち上げも兼ねてみんなで遊ぼうと、日葵ちゃんたちが計画してくれているピクニックのことだ。
「妹ちゃんも誘ってみれば?」
「えっ!?何言ってるんですか」
思いもよらない発言に、声が大きくなってしまう。
「来るわけないですし、そもそも、妹がいるなんて、みんなに迷惑ですよ……」
「月雨ちゃんのお友達は、友達の妹が来たら、迷惑がる奴らなの?」
「そ、それは……」
日葵ちゃんと美夜ちゃんが初めて私と話してくれた時のことや、今も彼女たちが私へ示してくれる気遣いや、向けてくれる笑顔がふと頭に浮かぶ。
もし、私が妹を連れて行きたいと話したら、2人はきっと喜んで、奏のことを迎えてくれる。
「……誘っても、奏が来てくれるとは…」
「聞いて見ないとわかんないよ。学校でも家でもダメなら、別のコミュニティに飛び込んでみるのも案外いいと思うし」
「……」
天海くんが私に絡んでくるのは、私に嫌われまいと必死に取り繕う必要がないから。
ただそれだけの理由なはずなのに。
奏のことにまで、何かを提案してくる理由がわからない。
「頑張って。お姉ちゃん」
「ちょ、」
天海くんは、くるっとこちらに背を向けると手をヒラヒラとさせて、屋上を後にした。
お、置いていくなんて……。