副社長秘書は溺愛彼女を囲って離さない

「なぁ、今日はなんて書いてあった?」

「あ?どこに?」

「は?お前、今まで見てなかったのかよ。
カップに一言書いてあるだろ」

そう言って、純平はカップを持ち上げくるっと回した。

"dogs!!"

犬!?

思わず、純平と目を合わせて笑った。

「おい、何だよ犬って」

「お前、大型犬に見えたんじゃね!?
おもしれー!!
あのドリンクの子、なかなかセンスいいな!!」


「お前のは?」


「俺の?」

そして、俺もカップを持ち上げくるっと回した。

"come true!"

叶う。


偶然か否か、あの花子みたいなエマという店員は、
俺が初恋を自覚した直後、
こんなメッセージをくれた。

そんなに、顔に出てたか?

急に恥ずかしくなって、コーヒーを静かに飲んだ。


"花子に会いたい"
叶いますように。

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