猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
と、左右に首を振るけれど、もちろん相手には見えていない。
こんな昼間にきても誰もいないことはわかりそうなものなのにとも考える。

それとも山内はこんな昼間に動き回ることができる職業なんだろうか。
「まぁいいわ。また今夜来るから待っててね」

そう言うと山内はカッカッとハイヒールの音を響かせて遠ざかっていってしまった。

同じマンションの部屋に来るだけでハイヒール?
尚美は嫌な予感を全身に感じたのだった。
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