猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
ライバル
チャイムを鳴らされても今の尚美に出ることはできない。
だけど一応玄関先まで歩いていって「ミャア」と一言鳴いた。

このマンションはエントランスでロックを外してもらわないと中へ入ってこられないようになている。

直接部屋のチャイムを鳴らしたということは、このマンションの住人に違いなかった。
「猫ちゃん、いるの?」

その声は若い女性、山内のもののようで尚美は咄嗟に身構えた。
鍵が閉まっているから入ってこれないとわかっていてもつい警戒してしまう。

「ご主人はいる?」
いない。
< 103 / 219 >

この作品をシェア

pagetop