猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
暖かな手
「ミーコ」
優しく名前を読んでくれるのは誰?

大きな手のひらで優しく私をなでくれるのは誰?

あまりの心地よさに浮上してきた意識がまた沈んでいきそうになるのをグッとこらえて目を開ける。

クンクンと匂いを嗅いでみると消毒液などの匂いに混ざって懐かしい人の香りがした。

ぱっと目を覚ますと尚美はなぜか健一の腕の中に抱かれていた。

「ミーコ。おはよう」
にっこりと笑うその人は間違いなく健一で。

あれ? 私まだ夢を見ているのかな?
と、首をかしげた。

だって健一はまだ病院にいるはずだから。
病院に猫を連れてくることはできないはずだし。
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