猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
閉まりかけていたドアの隙間に身を滑り込ませて廊下へ出る。

突然飛び出してきた猫に配達員のお兄さんが驚いた顔を浮かべるが尚美を止める暇はなかった。

けれどこの体ではエレベーターを呼ぶことはできない。
尚美は全速力のままで階段を駆け下りていく。

何段も飛ばして、体がひっくり返ってしまいそうになってもお構いなく駆け抜けた。

そしてエントランスまでやってきたとき、運よく山内さんが帰ってきて自動ドアが開いたところだった。

「ミャア」
と、山内さんに一声かけて外へ飛び出す。

空は曇天で、今にも雨が降り出してきそうだった。
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