猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
そして用意されたミルクをすべて飲み干したとき、ようやく生き返った心地になっていた。
フカフカのタオルの上に乗せられると眠気が襲ってくる。

食べてすぐ眠くなるなんてまるで子供みたいだと自分でも思うけれど、実際尚美は今子猫になっているのだから仕方ないことだった。

おまけに男性が大きな手で尚美の背中を優しくなで始めた。
「もう少し眠るといいよ」

その声にはどこか聞き覚えがあったのだけれど、眠気にあらがうことができず尚美はまだまぶたを閉じたのだった。
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