でこぼこ

過去に囚われた笑美さん

俺は何だか暴れる気分になれなくてただ何となく町を歩いていた。
今日は喧嘩を売られない様に少し遠回りをして歩いた。
静かで街灯が少ない道、車 通りが少なく家もそんなにない場所。
ちょっと中の道を通るとこんなに静かになる。
ここは落ち着ける場所だ。
今日はどうやら俺だけがこの道を通っているようだ。
いつも俺がこの道を通ると数人の大学生やこの近くの日本語学校に通っているであろう外国人が大きな声でどこの国の言葉なのかもわからない言葉を話しながらこの道を通る。
妙に静かで寧ろ違和感を感じる。
暫くすると前から人が歩いてきた。
黒いコートを着てフードを深々と被って小さい人、 俺は見た事がある。
その姿が大きくなって漸くその姿が見えた。
あの人だ。
「あの!この間どうも。」
「この間？」
声を聞いてあの時の人だとすぐにわかった。
「あの、俺の事覚えませんか?」
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