でこぼこ
「...知らない。」
「ですよね。もう何年も前の話ですからね。」
あの時の約束も忘れてしまっているのだろうか。
チビだった俺を助けてくれた事も何もかも忘れられていると思うと悔しかった。
この人の中にもう俺は消えていたのか。
「あの、俺、高遠陣って言います。名前聞いてもいいですか?」
「小椋笑美...。」
あまりにも綺麗な名前だ。
やっぱりこの人には笑顔が似合うと思う。
この間は笑ってなかった。なにかあったのだろうか。
「何かあったんですか?」
「ん?」
「この間助けてもらった時もなんか暗かったから悩みでもあるのかなと思って。」
「私は元々こんな感じだから特に悩みがあるわけではない。」
俺の勘違いだったのだろか。
俺の知ってるこの人は優しい笑顔で笑っていたし目つきは少し怖かったけどその優しい笑顔で俺は救われた。
今は目はあの時より優しい目だけど無表情で感情のな
< 14 / 37 >

この作品をシェア

pagetop