余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
二日後、仕事終わりに慎ちゃんとご飯を食べようかという流れになり、たまたま日勤だった秋奈も誘って三人で行くことにした。ここ数日の大きな出来事について話したかったのでいいタイミングだ。
やってきたのは、横浜駅からほど近いファッションビルの屋上で開催されているビアガーデン。ソファ席もあるおしゃれなビアテラスが人気で、平日の今日も大勢の人で賑わっている。
クラフトビールで乾杯した後、バーベキューではなく一品料理をいくつか頼んで、それをつまみながら夏くんとの関係が様変わりしたことを打ち明けた。
「「偽装婚約ぅ~!?」」
ふたりは同時に叫び、目をまん丸にしてテーブルに身を乗り出す。予想通りの反応だけれど、周りの人の視線を感じて少々気まずい。比較的賑やかなビアガーデンを選んで正解だったかも。
「ちょっと天乃、いいの? それで」
「お前、遠慮しない方向間違えてない?」
緩く波打つ長い前髪を掻き上げ、驚きと心配が混ざった顔で言う秋奈に、慎ちゃんが眉を歪ませて続けた。若干決まりが悪くなるも、私はもちろん後悔していない。
「偽装でもなんでも、今以上に夏くんの近くにいられるならそれでいいの」
「よくなくね!? だって──」
「いや、これはチャンスよ!」
けろっとして返す私に慎ちゃんが反論しようとしたものの、秋奈が急になにかを閃いたように表情をぱっと変えて遮った。