君との恋のエトセトラ
「次は2034年かあ…。その頃私、どうしてるのかな?33歳だから、杏の大学費用ももう払わなくてよくなってるかな。そしたら実家の改修工事をしたいなあ。あちこち古くなってきてるし。お母さんに縁側からクリスマス満月を見せてあげたいな」

ひとり言のように小さく呟く凛に、航は心が痛む。

(一体いつまで家族の為に頑張るつもりなんだろう。身体を壊してまで、一家の大黒柱として働いて)

2034年のクリスマス、凛が幸せな気持ちで満月を見上げられますように、と航は心の中で祈った。
< 118 / 168 >

この作品をシェア

pagetop