君との恋のエトセトラ
「ただいま…」

小さく呟いて玄関に入った航は、ダイニングのドアを開けてライトを点ける。

テーブルの上のランチョンマットには、食器や箸が綺麗に並べられていた。

(今夜は…、おっ!生姜焼きと茶碗蒸しか)

いそいそと手を洗い、レンジで温めると早速食べ始める。

(はあー、旨い!)

一日の疲れも飛んでいく気がする。

だが、食後のお茶を飲んでいて、ふと気になった。

(もし彼女が木原とつき合い始めたのだとしたら?こんなふうに俺の部屋に通って家事をするのを、あいつは快く思わないだろう)

それに木原と同棲を始めたら…?
凛はこのハウスキーピングの仕事をする必要はなくなるはずだ。

(彼女の手料理も、もう味わえなくなるのか…)

航はまたもや心に寂しさを感じ、深いため息をついた。
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