電話越しで副社長に恋をしました。
「失礼します」
私は駅に向かって歩きだした。
するとスマートフォンに着信が入ったのだ。見覚えのない電話番号だったので躊躇したがおそるおそる電話に出てみる。
『湯元さん』
名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
「副社長……」
『その様子だと僕のことを思い出してくれたようですね』
「はい。まさかあの時、助けてくださった方が私の会社の副社長だったなんて……。思い出すのに時間がかかって申し訳ありません」
『いいえ。こちらはちゃんと名乗っていなかったので、覚えていなくて当たり前です。あの女性を病院に送り届けて、まっすぐ海外へ行く予定だったので少し急いでいて説明をちゃんとしていなくて申し訳なかったです』
律儀に謝ってくれるのも素敵な人だと心が奪われていく。北海道支社が吸収されたら、もしチャンスがあるなら……。
副社長の近くで一緒に働いてみたい。
『追いつきました……!』
「えっ?」
びっくりして振り返ると、副社長の姿が見えた。
一歩ずつこちらへ歩み寄ってくる。
私の目の前に来て、副社長が微笑んだ。
「札幌のおすすめのシメパフェ、先日の企画書に書いてくれましたよね? これから食べに行くのは難しいですか?」
答えに困ってしまう。すると彼の顔つきが変わった。
「もっと、話がしたいです。人として……。今は仕事を忘れて、あなたともっと話がしてみたい」
優しい声が電話越しではなく直に聞こえてくる。
「僕は入社式の日、初めて見た時から気になっていました」
電話機を通さないリアルな声が、耳に届いた。
私は駅に向かって歩きだした。
するとスマートフォンに着信が入ったのだ。見覚えのない電話番号だったので躊躇したがおそるおそる電話に出てみる。
『湯元さん』
名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
「副社長……」
『その様子だと僕のことを思い出してくれたようですね』
「はい。まさかあの時、助けてくださった方が私の会社の副社長だったなんて……。思い出すのに時間がかかって申し訳ありません」
『いいえ。こちらはちゃんと名乗っていなかったので、覚えていなくて当たり前です。あの女性を病院に送り届けて、まっすぐ海外へ行く予定だったので少し急いでいて説明をちゃんとしていなくて申し訳なかったです』
律儀に謝ってくれるのも素敵な人だと心が奪われていく。北海道支社が吸収されたら、もしチャンスがあるなら……。
副社長の近くで一緒に働いてみたい。
『追いつきました……!』
「えっ?」
びっくりして振り返ると、副社長の姿が見えた。
一歩ずつこちらへ歩み寄ってくる。
私の目の前に来て、副社長が微笑んだ。
「札幌のおすすめのシメパフェ、先日の企画書に書いてくれましたよね? これから食べに行くのは難しいですか?」
答えに困ってしまう。すると彼の顔つきが変わった。
「もっと、話がしたいです。人として……。今は仕事を忘れて、あなたともっと話がしてみたい」
優しい声が電話越しではなく直に聞こえてくる。
「僕は入社式の日、初めて見た時から気になっていました」
電話機を通さないリアルな声が、耳に届いた。


