最強退鬼師の寵愛花嫁
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(心護様……なんてものを……いえ、心護様は本当に魔よけとしてくださったのかもしれません。わたしが自意識過剰になってるだけです、絶対)
「おはよう琴理ちゃん、あの、大丈夫?」
登校した琴理が教室に入ると、学校でよく話す友人が声をかけてきた。
「おはようございます。仁香(にか)ちゃん、何かあったのですか?」
琴理は机にかばんを置いて仁香に応じる。仁香の顔色は険しかった。
「昨日、琴理ちゃんを待ち伏せしてた男がいるって噂になってて……」
「………」
仁香はまずそうな顔をする理由が、その言葉からわかった。
(女子高に男性が待ち構えていたら、みんな彼氏とか思うんですよね……)
なので、まず否定することは、
「彼氏とかではないんです――」
「じゃあストーカーっ?」
「ち、違いますっ。許嫁様のご家族様ですっ」
琴理が小さな大声で制すると、仁香は「あ」と声をあげた。
「そういえば琴理ちゃん、婚約者がいるんだっけ」
窓際に寄った仁香と琴理は、声を潜めて会話する。
「はい。その関係でわたしにお話があって、昨日いらっしゃったようなんです」
「わかった。そういう関係の話なら、私も協力するよ。火消は任せて」
「ありがとうございます、仁香ちゃん」
――名家のお嬢様が多く通うこの女子高で出来た琴理の友人は、お互いを助け合う関係だった。