愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
義父は文科省に勤めており、父とは学生時代からの付き合いだと聞いている。
紅葉亭に若い頃から幾度となく足を運んでくれた常連客でもあり、私にも気安く接してくれる。
千隼さんと初めて会ったのも紅葉亭だったと、父と彼とのやりとりを横目に懐かしむ。
もう何年も前に父は外務省を去っているが、それ以降もふたりの関係は続いており、閉店後の店内で飲み明かす夜が幾度となくあった。
飲み過ぎてしまわないか気がかりで、自然と私がふたりのお世話係をするようになる。
義父をひとりで帰すのに不安を感じれば、私がタクシーを呼んであげてもいた。
それがあるとき『息子に迎えに来てもらおう』と、義父は酔っ払いの悪ノリで学生だった千隼さんを呼び出してしまった。
しばらくしてやって来た千隼さんは、いかにも渋々といった様子で実父に対して不満を隠さない。
『閉店後まで居座ってしまい、本当に申し訳ないです』
遅い時間に呼び出されて面倒だっただろうに、私には丁寧な態度を崩さない。それどころか、後片づけまで手伝おうとしてくれる。
そんな千隼さんに、私は真面目な人なのだろう好印象を抱いていた。
紅葉亭に若い頃から幾度となく足を運んでくれた常連客でもあり、私にも気安く接してくれる。
千隼さんと初めて会ったのも紅葉亭だったと、父と彼とのやりとりを横目に懐かしむ。
もう何年も前に父は外務省を去っているが、それ以降もふたりの関係は続いており、閉店後の店内で飲み明かす夜が幾度となくあった。
飲み過ぎてしまわないか気がかりで、自然と私がふたりのお世話係をするようになる。
義父をひとりで帰すのに不安を感じれば、私がタクシーを呼んであげてもいた。
それがあるとき『息子に迎えに来てもらおう』と、義父は酔っ払いの悪ノリで学生だった千隼さんを呼び出してしまった。
しばらくしてやって来た千隼さんは、いかにも渋々といった様子で実父に対して不満を隠さない。
『閉店後まで居座ってしまい、本当に申し訳ないです』
遅い時間に呼び出されて面倒だっただろうに、私には丁寧な態度を崩さない。それどころか、後片づけまで手伝おうとしてくれる。
そんな千隼さんに、私は真面目な人なのだろう好印象を抱いていた。