孤独な少女は優しさに堕ちていく。
「無理に、笑わないでくださいっ…、…いつか誰かに何かされる日が来たとしても、千景さんが守ってくれますよね?私は家族みーんな死んじゃっても、一人だけ生き残ったんですよ?運はいいはずです」

的外れなことを言っているのは分かっている。

でも私は必死だった。

「私は、千景さんが元組長だとしても、一緒にいることで危険があったとしても、千景さんのことが大好きなんです。この気持ちだけじゃ、一緒にいて良い理由になりませんか」

今度は千景さんが黙る番だった。

「千景さんがどんな人でも、私はもう、千景さんに恋をしちゃったんです。もう戻れないんです」

しっかり千景さんを見つめて視線を外さない。

「……あのときの貝殻もってる?」

「持ってます」

貝殻を差し出すと「ちょっと借りるね」と言われて貝殻が千景さんの手に移る。

千景さんはポケットを探って、細い金色のチェーンを取り出した。

貝殻の端に開けられていた小さな穴に丁寧に通していく。

出来上がったのは、儚く、それでいてかわいらしいネックレスだった。

千景さんはネックレスのフックを外すと、私の首にかけてくれた。

「ごめん。ずっと乙葉ちゃんのこと、突き放してた。、でも俺も限界みたい。……好きだよ、乙葉ちゃん。俺と付き合ってください」

ブワリと涙が滲んでくる。

「はいっ、喜んで!」
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