宿り木カフェ


「お局、変わることは無いのかな」

『無理だと思うよ。
それにね、こういう時は相手を変えようではなくて、自分が変わる方が早い』

「だってむかつくんだもの」

『うん、むかつくね』

「それでも私が変わらないといけないの?
部署も私だけが変えられるんだって。
お局はそのままなのに」

『そりゃぁ会社としては移動して間違いなく文句を言う彼女より、若い由香ちゃんの方が変えやすいよね』

「あの人、仕事が凄く出来る人では無いのに、会社からすれば私より少し長く居るってだけで私は下になるんだね」

『よほど人を切ることに慣れてる会社じゃなければ、どの会社でも無理だよ』


「結局私が変わらないとダメなんだ。
なんか納得いかない」

間違いなく彼女の方が間違っているのに。

お局のことを本当は嫌がっている人も多い。
でも誰も何も言わない。
波風をこれ以上立てないように、やはり自分が変わるしかないのだろうか。

『例としてはあまりよくないけど、この道を進みたいのに目の前に大きな穴がある。
向こうに行くには遠回りの道しかない。
由香ちゃんは目の前の穴を埋める方を選ぶ?
それとも遠回りになるけど穴の空いていない他の道に行く?』

「そりゃ他の道行くけど・・・・・・」

『納得出来ないのはわかるよ。
でもね?先に進むには、そういう相手をかわすことも必要なんだ』

「結構色々頑張ってるけどな」

『そうだね由香ちゃんは頑張ってる、十分なくらいに』

わかっている。
今までそうして生きてきたのだ。
正面から訳の分からない人間にぶつかっても意味が無いことぐらい。
でも何度も何度もこちらが耐えたり頑張って道を変えれば、愚痴くらい言いたい。


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