のーどくたーのーらいふ[短編]
「はい、おしまい」














京「これ外せる?」














「うん、外そっか」














そう言って、点滴を外すと














京はすごく喜んでいた














だけど、喜んでいた顔が














スンっと一瞬で暗い顔に戻る














京「あのね、おれ、疲れちゃって」














「うん」














京「病院に行って働くのが怖くなっ、」














そこまで言うとポロポロ泣き出す京














京「怖かっ、たけど














それっでも、助けっ、たくて」














泣いているのに焦って話すから














次第に、呼吸が浅くなっていく京














「ゆっくり息しようよ、京」














京「たすけた、かったから














がんばろうって、おも、ったけど














もうっ、それもっ、疲れちゃって」














子供みたいにわんわん泣き出す京














俺はそんな京をみて抱きしめた














どこかへ消えてしまわないように














とにかく強く抱きしめて














京の背中をさするしかできなかった














「大丈夫だよ、京。大丈夫」














京「おれ、最低だ」














そういって自分を責め続ける京














「俺は休んでもいいと思うけどな、」














京「なんで、だめだよ」














「今の京は心も身体もすごく疲れてるの














そんな状態でこのまま続けたら














それこそ、負のループだろ」














京「でも、」














「まず休んで身体と心を癒やす














それでまた頑張ろうって思えたら















その時 頑張ればいいだろ」












京「おれ、また助けられる?」














「当たり前だろ」














京「っ、」














また泣き出す京














抱きしめながら あやしていたら













そのうち眠ってしまった様子の京














「おやすみ」














しっかり休もうな。














Fin.
< 42 / 56 >

この作品をシェア

pagetop