姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
 立ち竦んでいると、「おいで」とささやかれ、ゆっくりと歩み寄る。

「あ……っ」

 ぐいっと腕を引っ張られ、彼の上に倒れ込む。

 彼はキスをしながらそっと体を入れ替えて、私をベッドに横たえた。と同時に背中に回した左手で手際よくブラのホックを外す。

「ま、雅貴さんっ……」

「ん?」

「器用ですね……」

 雅貴さんの動きを分析している余裕なんてないのに、まるで利き手が左みたいだなんて思った。

 彼は私に覆い被さり、薄く微笑む。

「両利きだからね」

「そうだったんですか」

「ああ。便利だよ」

「便利ってっ……」

 私は耳まで熱くなった。

「手術の際、どうしても左手でハサミを持たないといけないときがあるからね」

「あ……」

「ん? 百花はなにを想像したんだ?」

「別になにも」

 これからするあれこれのときに便利だなんて思っていない。

「百花はいやらしいな」

 目を細めながらばっちりと言い当てられてあたふたする。

「そっ、そうですよ。早く雅貴さんに抱いてもらいたいってずっと悶々としていたし、とんでもなくエッチなんです」

 開き直って本音をぶちまけた。彼はそれを楽しそうに聞いている。

「安心して。俺は百花よりもエッチだから」

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