意地悪で優しいあなたの溺愛
放課後になって、普段は花梨と二人で下りる階段を一人で下りる。

なぜか私達と同じ方向から来ている人はほとんどいなくて、どちらかがいないとぼっちで帰らなくてはいけなくなってしまう。

「どうしよう…」

昇降口まで来て、私は絶望した。

地面に容赦なく雨が叩きつけられている。

覚悟を決めるしか無いのだろうか。

「よしっ!」

教科書が濡れないように鞄に覆い被さりながら屋根を出る。

当然だけど、あっという間にびちょびちょになった。

前ががみになりながら小走りする。

変な体勢だが構っていられない。
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