意地悪で優しいあなたの溺愛
「あっ、射的やりたいっ!みんなで勝負しようよ」

花梨が足を止めたのは、豪華な景品が並ぶ射的。

お菓子だけじゃなくて、人気のゲームなども並んでいる。

「花梨がそう言ってるけど、いいかな?」

「全然いいよ。やろー」

右京くんが花梨の保護者に見えてくる。

たくさん並ぶ景品の中で私の目に留まったのは、紫色のスカーフを巻いたおおかみのぬいぐるみ。

冷たいとも思える表情が左京くんに少しだけ似ている。

ぬいぐるみにまで左京くんを重ねてしまう私は重症だ。

全員同時には出来ないので、先に花梨と右京くんが銃を持つ。

花梨はお菓子の山を狙うみたいだ。

右京くんは、どんぐりを抱えたリスのぬいぐるみを狙っている。

花梨も右京くんも無事、目当ての物を倒すことができたようだ。

次は私と左京くんの番だ。

弾は5つ。

5回でおおかみのぬいぐるみを倒さなくてはいけない。

きっと重いくてなかなか倒れないだろうけど、それでも欲しい。

引き金を引くと、パァンといい音がして弾が飛び出した。

その弾はなぜか目標とは遠く離れた大きな箱のお菓子を撃ち落とした。

「嬢ちゃん、やるね」

射的屋のおじさんに褒められたけど、全然嬉しくない。

気を取り直して2発目。

今度こそしっかり狙って引き金を引く。

今度も飛び出した弾は明後日の方向へ飛んでいき、小ぶりなポーチを撃ち落とした。

何度やっても私の撃つ弾はぬいぐるみにかすりもしない。

5回撃って、全て別の物を倒した。
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