シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 どうしよう。明人さんの空気がいつもと違って怖い。
 もしかして私は離婚されてしまうかな?

 彼のいないところで愚痴ってしまって、それを本人に聞かれてしまうなんて、ああ私はどうしてあんなことを言っちゃったんだろう。
 だって、意地悪な明人さんのことだって好きだし、彼が掃除も洗濯も苦手だからってそんなに気にしたことなんてないのに。

 家に帰ったらちゃんと謝ろう。
 そう思って玄関先でドアを閉めたらすぐに私は彼に向かって頭を下げた。

「明人さん、ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったんです」
「えっ?」

 先に靴を脱いで上がっていた彼は振り向いて私と目を合わせた。
 やっと口を利いてくれたと思い、勢いで謝罪する。

「あんなに飲むつもりなかったし、明人さんの文句なんて言うつもりなかったんです」
「つまり君は俺に不満を持っていると?」
「ち、違います。不満なんてない! 明人さんはいつも優しくてちょっと意地悪なときだって私はそれさえ幸せに感じてしまうくらい好きなんです」

 必死に訴えてみるも、彼は真顔だ。
 どうしよう。もう許してもらえないかも……?

< 108 / 178 >

この作品をシェア

pagetop