《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
「いえ、折角ですが長居はしません。要点は今お話した通りです。学園長には許可を取ってあります。今後しばらく、私は彼を探りますが……」

 そして整った眉をしかめる生徒会長に口元を寄せる。

「くれぐれも周囲の者には口外なさいませんよう」
「はっ、心配は要らないよ。シールドを張っているから、先ほどの話も今の君との会話も他の者には一切聞こえていない。長居はせぬと言ったが、学園は久しぶりだろう? せっかく来たのだから、君も校内を歩いて懐かしい日々の思い出に浸るといい」

 アレクシスも強力ではないが氷と水魔法の使い手だ。在学したのは王城勤め前の二年間だけだが、この王立魔術学園の出身者でもある。
 当時まだ王太子だった現アストリア国王とは、その頃に培った学友の仲であった。

 
 生徒会室を出る時、エリアーナとはちら、とだけ目を合わせた。
 
 ——これは事情を問わねばなるまいな。


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