《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
 その刹那、エリアーナの瞳が怯えて揺らぐのがわかった。
 か細い身体をいじらしいほど強張らせ、アレクシスから視線を逸せてしまう。
 また冷たいと思われるような態度を取ってしまったと後悔するが、この局面では仕方がなかった。
 
「エリーとアン、待たせたね! さぁ、こっちに来て。そこに座って?」

 背後から投げられた声を聞けばまた新たな疑問が持ち上がる、王弟陛下はなぜエリアーナを生徒会室に呼んだのだろうと。

 エリアーナも生徒会の役員なのだろうか。
 それとも別件、ならば、どんな用件で……。

 愛おしいエリアーナのこととなれば、アレクシスの脳内には憶測が湧き出て細い糸のように絡まり合ってしまう。

 そして導き出せぬ答えへの苛立ちは、彼の冷静さと平常心を削ぎ落としていく——。



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