《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
(来ないはずが無いじゃないか。ボクはエリーの守護妖精なんだから。それは一生、エリーが生きてるかぎりずっと変わらないんだからッ)
涙目はそのままに、エリアーナは両手でうさぎを目の高さまで持ち上げる。そのまま食い入るように見つめると、紅潮した頬をぷぅっと膨らませた。
「謝るくらいなら教えてくれるわね? ルルは今まで、どこで何をしていたの?」
(それはっ、その……。ばっ……《《バカンス》》さ!)
「バカンス? って何なの、それ」
「そっ、そうだよ……バカンスだ。妖精の里の南にある『ビーチ』でのんびりしてたのさ」
うさぎはそう言い、不自然に胸を張る。
それを見たエリアーナは「あきれた」と肩を落とすのだった。
「……ルルったら、私の心配をよそにその『ビーチ』とやらで遊んでいたのね?! 心配して損した気分よ」
落胆を隠せないエリアーナはうさぎをベッドサイドに置くと立ち上がって背を向ける。
「安心して気が抜けたら喉が渇いたわ。飲み物、取ってくる」