愛の街〜内緒で双子を生んだのに、孤高の副社長に捕まりました〜
有紗側が気をつけなくてはならないことは、山ほどある。
自分から言い出さなかったことを恥ずかしく思うくらいだった。
「今まで別々に暮らしていた者同士うまくやっていくために、まずはお互いの意見を出し合おう。まずは君から」
「……と、とくにはなにも……」
考えることもなく有紗が言うが、龍之介は納得しない。
「遠慮するな。子供たちのことを考えたら、いくらでもあるはずだ」
そう言われても、もうすでに十分すぎるほどの環境を整えてもらっている。これ以上望むものなどない。
「本当に大丈夫です。新しい保育園も、家も過ごしやすくて子供たちは気に入っていますから。以前よりふたりとものびのびしています」
本心からそう言うと、彼は一応頷いた。
「ならいいが。だが、思いついたことがあったらその都度遠慮せずに言うように。じゃあ、俺からもいくつか。同居にあたって君に約束してほしいことがある」
「はい」
ここからが本題だ。
子供たちも含めて約束できる内容ならいいのだけれど……。
背筋を正して緊張する有紗に、龍之介が真剣な表情で口を開いた。
「子供たちのことで俺に謝るのは禁止だ」
「…………え?」
言われたことが意外すぎて、有紗は瞬きをしたまま、すぐに答えられなかった。その有紗に、彼は説明する。
「さっき、圭太がうどんを溢したときのように、彼らが俺になにをしても、君が謝ることなどない。子供たちが騒いだりなにかを汚したりするのはあたりまえだろう」
「で、でも……」
自分から言い出さなかったことを恥ずかしく思うくらいだった。
「今まで別々に暮らしていた者同士うまくやっていくために、まずはお互いの意見を出し合おう。まずは君から」
「……と、とくにはなにも……」
考えることもなく有紗が言うが、龍之介は納得しない。
「遠慮するな。子供たちのことを考えたら、いくらでもあるはずだ」
そう言われても、もうすでに十分すぎるほどの環境を整えてもらっている。これ以上望むものなどない。
「本当に大丈夫です。新しい保育園も、家も過ごしやすくて子供たちは気に入っていますから。以前よりふたりとものびのびしています」
本心からそう言うと、彼は一応頷いた。
「ならいいが。だが、思いついたことがあったらその都度遠慮せずに言うように。じゃあ、俺からもいくつか。同居にあたって君に約束してほしいことがある」
「はい」
ここからが本題だ。
子供たちも含めて約束できる内容ならいいのだけれど……。
背筋を正して緊張する有紗に、龍之介が真剣な表情で口を開いた。
「子供たちのことで俺に謝るのは禁止だ」
「…………え?」
言われたことが意外すぎて、有紗は瞬きをしたまま、すぐに答えられなかった。その有紗に、彼は説明する。
「さっき、圭太がうどんを溢したときのように、彼らが俺になにをしても、君が謝ることなどない。子供たちが騒いだりなにかを汚したりするのはあたりまえだろう」
「で、でも……」