御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
「確かに私は、君のお爺さまにお世話になった。だからこそ君をお預かりしているわけだが、縁談については話は別だ。いくらここにいても私の気持ちは変わらない。君とは結婚できない」
 
龍之介はやや強い言葉で言い切った。世間知らずのお嬢さまには酷かもしれない。

だが彼女の父親がなくなったはずの縁談をそのように行っているのであればはっきりと言うべきだ。
 
それが彼女のためだろう。

「それでも会社に残りたいと言うならば、これ以上は特別扱いはできない。一般社員と同じように評価して配属する。どうするか君が決めてくれ」
 
詩織が悔しそうにして、立ち上がる。
 
そして、挨拶もせずにドアを目指して歩いていく。

取手に手をかけてなにかに気がついたように部屋の中を見回した。

「龍之介さん、甘いものは苦手でしたよね?」

「……ああ、そうだが」
 
答えると、目を細めて龍之介を睨む。そして無言で部屋を出ていった。
 
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