魅惑の絶対君主
傷痕





「冬亜ちゃん、最近よく電車で会うね。ここ1ヶ月くらい、全然一緒にならなかったのに」



レオくんにそう言われたのは、わたしが電車通学に戻ってから2週間ほど経ったときのことだった。



「そ、そうだね。この前まで、これより一本か二本早い電車に乗ってたから」


なるべく冷静を保ちつつそう答える。


これまでは、相楽さんの仕事の時間の都合もあって、比較的早い時間に学校に着いていた。


見知らぬ男の人に車で送り迎えをしてもらっていることがレオくんにバレたらきっと詰められるから、

わたしとしてもそっちのほうが都合がよくて助かっていた。


レオくんは部活があるから、帰りが一緒になることもなかったし……。



「ていうかさ、もうすぐ三者面談の日程組みが始まる頃だよねー」



改札を抜けながら、ふとレオくんがそんなことを言った。


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