緒臣くんのキケンな誘惑。
正体
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『おともだちになりたい…!!だからおなまえおしえて!!』
『おともだちに……』
『わたし、しゆっていうの!』
『しゆちゃん……?』
『そうだよ!あなたは?』
『…えっとね、』
目の前には小二の私と同じぐらいの身長の、とっても綺麗な女の子。
髪の毛はボブぐらいの長さで、大きい目は涙で潤んでいて。
どこか守ってあげたくなるような、そんな感じがする。
私が名前を聞くと、少し頬を染めて嬉しそうに口を開いた。
✻
ピピピピ─────……
「……」
ピピピピ─────……
「…んー」
うるさいなあ……良いところだったのに邪魔しないでよ……。
そう思って目を瞑ったまま音の鳴る方へ手を伸ばすと。
…ガンッ
「いった……っ!!」
手が何かにぶつかって大きな音が鳴る。
反射的に手を引っこめてパチッと目を開けると、どうやらベッドの頭の角に手をぶつけたみたいだった。