緒臣くんのキケンな誘惑。




そう話す三人にポカーンとしてしまう。
どうやら結構有名な話らしい。


あれ……でも。


「私……熱測るためにおでこ触られたし、なんでかわかんないけど頭も撫でられたよ……?」

「……はい?」


覚えている。なんなら、今でも感触が残っているぐらい鮮明に。

そう言うと、三人は無言で放心状態になった。

あれ……?なんでそんな変な目で私を見るの……?


「……それ絶対特別扱いでしょ」

「え、特別……?」

「だってウチらの知る天沢くんはそんなことしないんだよ!?王子様みたしだしモテるけど……!でも天沢くん本人はスルーだし!!」

「は、はぁ……」

「てかその前にまず……」


息継ぎなしで言った音寧の勢いに若干負けながらも、一応ぎこちなく頷く。

まず……?なに……?
一旦落ち着いて深呼吸する音寧に、何を言い出すのかとなぜか緊張が走る。





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