緒臣くんのキケンな誘惑。
さっき起こったことをすべて話そうとすると、いちいち大きい反応をしてくる三人。
かくかくしかじかで……と私も困惑した状態のまま話し終えた。
「…うわ、すっご紫夕。羨ましいわ」
「……これが運命……」
「おーい音寧さん、帰っておいでー?」
私を羨ましがる芹奈。
ボーッと別の世界へ行ってしまった音寧。
そんな音寧を現実に連れ戻す愛海。
そしてそんな三人に私は苦笑いしながらお腹に当ててある湯たんぽを見つめた。
……私も何が何だかわかんないんだもんなあ……。
「…ていうか、まずあの天沢緒臣くんが紫夕を運んだことに驚いてる」
「え…?どういう意味?」
「天沢くんが女の子に触れたところなんて見たことないからね」
「え」
「そうだよ!一部の積極的な女子が天沢くんにボディタッチしようとしても、いつもさりげなく避けてるんだよね?スッ…って感じで!」