断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 聞き返した瞬間、男湯からズゴンっと雷鳴がとどろいた。続いて野郎どもの野太い悲鳴が木霊(コダマ)する。
 ひぇっ、ちょっと今ビリっときたんですけどっ。

「ほら、だから離れないでと申し上げましたでしょう?」

 そういうことはもう少し早く言ってっ。

「こんなこともあろうかと少々魔法を仕込んでおきましたの」

 ちっとも少々って威力じゃなさそうだったけど。

「ふふふ……わたくし火の扱いは不得手(ふえて)でも、雷撃系は大の得意ですのよ。フラチな殿方には丁度いいお仕置きですわ」

 不敵な笑みを漏らす未希の目が、もうヤヴァイことになってるし。
 絶対に未希ってば、押しちゃいけないボタンを満面の笑みで押せるタイプだわ。

「ついででしたので、回復魔法でさらに傷口が悪化する呪いを追加しておきましたから。それに気づくまで、しばらく激痛にノタウチ回ればいいんですわ」

(やっぱり未希だけは敵に回したらあかんっ)

 一生ついていきますぜ、姐御(あねご)
 ってなことを、改めて心に誓った華子なのデシタ。

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